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酔生夢死の世の中を渡るには、それなりの覚悟と知恵がいる。そんな覚悟も知恵もなく歩んできた人生の好きなことを、好きなように書き散らしました。

年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり 岡本かの子 [エッセー]

岡本かの子

 年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり 岡本かの子

 年々に何だか正体の知れない哀しみが深まるという前半部分については、私個人の思いとも重なる。 
 しかし、享年51のかの子は命がいよいよ華やぐと言うのに比べ、私にはそんな感想はない。すっかり枯れてしまったというわけではない。だが、私には生は華やぎもせねば輝きもしない。どんよりと広がる雨雲のように、哀しみを湛えた表情で浮かんでいるだけだ。
 ただ、辛いとか、嫌だとか、避けたいというような感情はない。いかなる感情も伴わずに、ただそれだけという感じである。この、ただそれだけ、という感じか、若い頃にはよく分からなかったが、最近ではすべての物事になんとなくそういうものだと受け止められるようになった気がする。おそらくは、これが老いというものの正体なのではないかと、最近は思っている。

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